遺伝性疾患には、染色体異常と単一遺伝子疾患に加え多因子遺伝疾患の3種があります。染色体異常は、人体に存在する46本の遺伝子が多かったり少なかったりすることにより発症する疾患です。
染色体が1本不足している場合はモノソミーと言い、過剰染色体が1本ある場合をトリソミーと言い、これらを数的異常と言います。
数的異常は、細胞分裂の時に染色体不分離などが生じることにより起きると言われています。数的異常のほか染色体異常には構造異常もあり、これは染色体が切断され再結合の際に異常が生じることにより発症するものです。
単一遺伝子疾患は、メンデル遺伝病とも呼ばれ、2万個以上の遺伝子のうち1つの異常により生じる疾患とされています。
単一遺伝子疾患には、常染色体優性遺伝病と常染色体劣性遺伝病に加えX連鎖性遺伝病の3つに分類されます。
常染色体優性遺伝病は、1つでも遺伝子異常があると罹患するもので、父親が高年齢であるほど突然変異が起きやすいと言えるでしょう。
常染色体劣性遺伝病は、疾患の遺伝因子を両親が持つ場合に4分の1の確率で子どもが罹患することがあります。
X連鎖遺伝病は、X染色体上に変異遺伝子があってX染色体とともに遺伝するケースです。血友病や筋ジストロフィー症などが知られているでしょう。
多因子遺伝疾患は、遺伝因子と環境要因の両方が相互に作用して発症する疾患です。身体の一部に異常が発生する単発奇形のほか、心筋梗塞や糖尿病に加えて胃潰瘍やてんかんなど一般的に馴染みのある名前の疾病も多因子遺伝疾患に含まれます。